2006年の音楽会 

ただいま少しずつアップ中です。


クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル
5月20日(土) サントリーホール

チェルカスキー、ルドルフ・ゼルキン、そしてツィメルマン。大好きな3人のピアニスト。最初のお二人はもうすでに旅立たれていますが、久しぶりに聴いたツィメルマン様からは、瑞々しくて素晴らしいピアノを聴かせてもらえました。
 ♪モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330
 ♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調 op.13 「悲愴」
 ♪ショパン:バラード第4番へ短調op.52
 ♪ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
 ♪バツェヴィッチ(ポーランドの女流作曲家):ピアノ・ソナタ第2番
 ♪アンコール/ガーシュイン:3つのプレリュード(全3曲)
どんな言葉にもたとえられないけれど、最初の一音から細胞(頭の先から足の先まで)に染み渡ってくるような、優しくて、美しくて、暖かくて・・・涙が出るようなピアノの音です。先日聴いたキーシンは何かが降りてきたような、若さも溢れる天才的なひらめきのある演奏なんですが、ツィメルマンはもっと質が違って、彼を取り巻くすべての空間から、見えない力をすぅっと吸い取って、そうしてそれが彼を通して美しい音となってこぼれ溢れてくるような感じがします。ツィメルマンの中に天使が居るのかも・・・。気が付けば、キラキラと美しい音が、ホールの隅々まで届きわたっているんです。今夜は、心洗われるような、幸せな時間でした。モーツァルトはかわいらしく、いたずらっぽく、ベートーヴェンは、静謐な中にも熱さがあり、ラヴェルは、煌びやかで、品があって、ショパンは凛と美しくてして強く、バツェヴィッチは、迫ってくるような感じ。ガーシュインは、それは楽しそうに弾いていらっしゃいました。
カメラが3台ほど入っていましたが、どこかで放送されるのかなぁ。アンコールが終わった後、もうこれで最後ですよ、みたいな感じで、ステージ上のカメラを笑いながらのぞいてました。モニターチェックしたら、ドアップでしょう。(笑)


ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン

5月6日(土)ラフォルジュルネ最終日
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン4日目。最終日の今日は最終コンサートのみ。この最終時間に終わるコンサートは他にも2つほどあったようです。10回目のコンサートとなりました。
<10>10:00PM
♪[演奏]ミシェル・ドヌーヴ(クリスタル)/フィリップ・ベルノルド(フルート)/古部賢一(オーボエ)/川崎雅夫(ヴィオラ)/趙静(チェロ)/レジス・パスキエ(ヴィオラ)
オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K. 370
自動オルガンの為のアンダンテ ヘ長調 K. 616(クリスタル、フルート、オーボエ版)
グラス・ハーモニカの為のアダージョ ハ長調 K. 617a
グラス・ハーモニカの為のアダージョとロンド ハ短調 K. 617
今回初めてクリスタルという楽器を見ました。そして聞きました。ふしぎな音色でした。ストリートオルガンの音をもっと曖昧にして、綿菓子にしたみたいな、ふわふわ〜んとした感じ。言葉にするのは難しいですが。演奏後、楽器を覗いてみると、鉄琴にガラスの棒がついていて、アルミニウム版のようなものに反響させているような・・・ってよく分からなかったけれど、ふしぎな機械でした。このクリスタルという楽器で演奏されたのは、2、3、4曲目で、最初に聞いた時は、フカフカスースーと気の抜けた壊れたオルガンのようだなぁ、と思ったのですが、終わってみると、マシントラブルだったとか。設置したときに何かがはずれてしまったようで、なんと、もう一度演奏してくれました。会場には、フルートの工藤重典さんや、ハープの吉野直子さん、ピアノの仲道郁代 さんやオーケストラの人達がいっぱい聴きに来ていました。この演奏会は、チケットぴあで取れなくて、その後のe+でも取れなくて、諦めかけたのですが、最後の望みの楽天チケットで取れた券だったので、本当に行けてよかったぁ!場所は相田みつを美術館、入場できる人数が一番少ない100名ほどなので幸運でした。
4日間、あっという間でした。GWもこれだけ予定があると、短いなぁ。


5月5日(金)第3日目
「熱狂の日」今日で3日目。昨夜が遅かったのにもかかわらず、今朝は10時からのコンサートだったので、さすがにちょっと疲れ気味・・・。チケットを買うときも、悩みましたけれど、この朝一番の回しかカール・ライスターさんが演奏するコンサートがなかったので、頑張っちゃいました。
<7>10:00AM 0才からのコンサート
♪[指揮]沼尻竜典 [演奏]カール・ライスター(クラリネット)/トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
交響曲 第31番 ニ長調 K.297 「パリ」
<8>11:45AM
♪[演奏]堀米ゆず子(ヴァイオリン) /児玉桃(ピアノ)
ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K.454
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
<9>9:00PM
♪[演奏]ロラン・ルフェーヴル(ファゴット)/エルヴェ・ジュラン(ホルン)/オリヴィエ・ドワーズ(オーボエ)/レジス・パスキエ(ヴィオラ)/プソフォス弦楽四重奏団
「モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292」
「ハイドン:ホルン三重奏曲 変ホ長調 Hob.IV.5」
「モーツァルト:オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370」
「モーツァルト:ホルン五重奏曲 変ホ長調 K.407」
0才からOKというコンサートは難しいですね。1人の赤ちゃんが泣き出すと、連鎖反応のようにあっちでもこっちでもワンワ〜ンと泣いてしまうし、3才くらいの子達はじっとしていられないから通路を走り回ってるし、ホールが大きすぎるので、クラリネットの音が、上に逃げてしまうのか、繊細なところまで聞きにくかったです。小さい子供達には、最初から全曲聞かせるよりも、これがヴァイオリン、これがヴィオラ、この楽器とクラリネットだとこんな和音だよ・・・で、とりあえず1楽章だけ聞いてもらう、なんていう方が良いかもしれないなぁと思います。全曲を静かに聞くには、ホールも広すぎて、音楽している人達との距離が遠すぎたように思います。

5月4日(木)第2日目
<4>12:30PM
♪[指揮]沼尻竜典 [演奏]工藤重典(フルート)/吉野直子(ハープ)/トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 K. 527
フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K. 315
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K. 299
<5>1:45PM
♪[演奏]アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
〜ピアノ・ソナタ全曲シリーズ Part 2〜
ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 K.279
ピアノ・ソナタ 第17番 変ロ長調 K.570
ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K.284
<6>10:45PM
♪[演奏]ドミトリ・マフチン(ヴァイオリン)/アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)/ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
モーツァルト:ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 K.502
モーツァルト:ピアノ三重奏曲 第5番ホ長調K.542
最後の演奏会は、リハーサルが長引いていて会場が遅れましたが、定時に始まりました。始まるまでの間、舞台袖から、ずっとヴァイオリンの音が響いていました。チャイコフスキー、パガニーニ、モーツァルトVn協5番・・・といった具合に、美しい旋律が、次から次へと聞こえてきて、楽しかったです。
この演奏会は終了が11:30PMでしたが、アンコールがあり、会場を後にしたのは45分くらいだったかな?一度帰ってから車で行ったのですが、会期中は、駐車場が24時まで使えます。

5月3日(水) 第1日目
<1>5:15PM
♪児玉桃/児玉麻理(ピアノ)
 「2台のピアノためのソナタ ニ長調 K. 448」
 「四手のためのピアノ・ソナタ ヘ長調 K. 497」
<2>7:00PM
♪[指揮]葉詠詩(イプ・ウィンシー)[演奏]樫本大進(ヴァイオリン)/香港シンフォニエッタ
 「歌劇「フィガロの結婚」序曲 K. 492」
 「ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K. 261」
 「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ニ長調 K. 211」
<3>8:30PM
♪アンヌ・ケフェレック(ピアノ)〜ピアノ・ソナタ全曲シリーズ Part1〜
「ピアノ・ソナタ 第16番 ハ長調 K. 545」
「ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K. 282」
「ピアノ・ソナタ 第2番 ヘ長調 K. 280」
「ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 K. 309」
ここではアンコールがありました。ヘンデルの美しい曲でした。タイトルはちょっと分かりません。



エフゲニー・キーシン ピアノリサイタル
4月26日(火)サントリーホール

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 op.2-3
         : ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 op.81a「告別」
ショパン  : スケルツォ全4曲
ようやくエフゲニー・キーシンの素晴らしいピアノを聞くことが出来ました。ずっと聞きたかったけれど、なかなかタイミングが合わなくて、CDでの音だけだったのですが、なんと言ったらいいのでしょう。良い意味で毒があるような演奏でした。ジワジワとその毒がまわってくるのが嬉しくなるような。前半はベートーヴェンのピアノソナタ2曲、後半はショパンのスケルツォ4曲。というプログラム構成にも驚かされましたが、私にとっては、ずぅっと耳に慣れ親しんできたルドルフ・ゼルキンのベートーヴェンがあるので、同じ楽譜からこういう音が連なってくるのねぇ・・・とびっくり。ショパンもまたしかり。とても骨太でありながら、繊細な音楽・・・う〜ん、言葉にすると安っぽくなっちゃうなぁ。とにかく、ピアノの前に座ったとたん、何かが降りてきたとでもいうような演奏、こういう人を天才と言うのでしょうね。アンコールは7曲。その中のモーツァルトのトルコ行進曲は、一音一音がはっきりとしているのに、流れがとまることなく、何かが注ぎ込まれていくようなすごい演奏でした。1時間もアンコール曲を弾いてくれて、そのほとばしるエネルギーに、聞いている私も頭の先から徐々にストレスがはき出されていくような感じがしました。ちなみにアンコールだけで1時間でした。
アンコール 1 シマノフスキ:エチュード変ロ短調OP4−3 
        2 ショパン:エチュード嬰ハ短調OP10−4 
        3 リスト:ハンガリー狂詩曲第10番 
        4 モーツアルト:トルコ行進曲 
        5 ショパン:ワルツ第7番OP64−2 
        6 ショパン:子犬のワルツ 
        7 ブラームス:ワルツ第15番


新日本フィルハーモニー交響楽団 第399回定期演奏会
3月23日(木)サントリーホール

指揮:下野竜也
ドヴォルザーク:序曲〈フス教徒〉
ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調
バーバー:弦楽のためのアダージョ
フーサ:プラハのための音楽1968 
指揮者下野竜也さんのメッセージ「音楽は楽しいものです。でも、たまにはちょっと音楽を聴いてホール以外のことにも心を向けて、皆さんも一緒に考えてみませんか?」がプログラムに紹介されていました。でも音楽を聴きながら、この不安な世界情勢を思い浮かべるのは、今日のプログラムの勉強もしていなかったので、ちょっと難しかったです。世界がいつまでも不安なままで良いはずはなく、その先の平和への想いの強さを、このプログラムに託したのだとは思いますが。プログラムノートを読まなければ、このプログラムの意図は伝わらなかったと思います。



新日本フィルハーモニー交響楽団 第397回定期演奏会
2月16日(木)サントリーホール

指揮: クリスティアン・アルミンク
シュニトケ:ピアノと弦楽の協奏曲  Pf:クリストファー・ヒンターフーバー
ロット:交響曲 ホ長調
いずれも初めて聞くプログラム。、シュニトケのピアノは、若いピアニストでした。シュニトケの方は、できあがっていく音楽をたえず壊していくような曲、ロットの方は、山を登り、もう少しで頂上かもしれない、と言うときに降りて来てしまうような、長〜いトンネルで出口が見えない曲・・・でした。それにしても、曲調はどちらもフラストレーションがたまるのに、演奏がとても良かったと思います。指揮のアルミンクとオーケストラの絆が深まってきたからかもしれません。ホール全体の雰囲気がとてもやわらかく感じました。7〜8割の観客でしたけれど、きっと満足して帰宅した人が多かったと思います。ピアノのアンコール、バッハのフランス組曲第2番サラバンドも、素敵な演奏でした。


ショパンコンクール 入賞者ガラコンサート〜協奏曲の夕べ
1月29日(土)サントリーホール

昨日はサントリーホールで『第15回ショパン国際ピアノ・コンクール入賞者ガラ・コンサート〜協奏曲の夕べ〜』という演奏会を聞いてきました。ショパンコンクールは5年に一度、ショパンの生まれたポーランドで開催されているピアノのコンクールで、昨秋2005年10月に行われたのですが、その時の優勝者のラファウ・ブレハッチと共に4位入賞の関本昌平、山本貴志の3名が、ワルシャワフィルとショパンのピアノ協奏曲第1番を弾いたのでした。一晩に同じ曲を3回、別の演奏者で聞くなんていうことは初めてだったので、とても楽しみでした。ちょうど読んでいる「ピアノの森」もショパンコンクールが始まったシーンで面白いところなので、漫画のストーリーをちょっと重ねたりしつつ聞いてきました。それにしても、驚き!同じピアノ、同じ曲なのに、まるで違って聞こえました。三人三様ではありましたが、最初に演奏した山本貴志(23)は繊細で、ややもすると音が細く、自分の世界に入り込んでしまいがちで、演奏も遅くなりがち。次の関本昌平(20)は、太くしっかりした音で、この曲を何度も弾いている余裕からか、オケをあおるようなぞぶりも見えて堂々としているけれど、ショパンのロマンティックで甘い感じが不足、最後のラファウ・ブレハッチ(20)は、彼が鍵盤を押した瞬間から、一瞬にして会場の人が全員引き込まれた・・・と思います。とても同じピアノから出る音とは信じられないくらい違ってました。本当に素晴らしくて、最後までドキドキしながら聴き入りました。いつかまた彼のピアノを聞きたいなぁ。それにしても三人とも若いから、これからどんどん成長して、もっともっとすごい演奏を聞かせてくれることでしょう。
♪アンコール曲
 ショパン:ノクターン ハ短調op.48-1 <関本昌平>
 ショパン:ワルツ 嬰ハ短調「遺作」<ラファウ・ブレハッチ>
 ショパン:マズルカ ハ長調op.56-2 <ラファウ・ブレハッチ>
 ショパン:ワルツ変ニ長調「子犬のワルツ」op.64-1<ラファウ・ブレハッチ>
 ショパン:マズルカ ハ短調op.56-3 <ラファウ・ブレハッチ>


イツァーク・パールマン ヴァイオリンリサイタル
1月16日(月) サントリーホール

サントリーホールで、今年初の演奏会。イツァーク・パールマンのヴァイオリンを聴いてきました。本当に柔らかで、しっとりと優しく響くヴァイオリンの音に、たっぷりと浸ってきました。最後のコーナーは「クライスラーの曲」とだけプログラムに書かれていて、当日発表という珍しいコンサート。1曲1曲、曲名を言いながら弾いていったのですが、伴奏のピアニストも大変。なかなか楽譜が見つからなくて困っている曲もありました。それにしても、ステージに出てくるのだって大変そうに見えるのに、どうしてあんなに素晴らしい音を響かせることができるのか、音楽家ってやっぱり神様から特別な力をもらっているのかと思ってしまいます。でも本当は、パールマンが人の数倍も努力した結果なんですよね。彼は4歳で小児麻痺を患い、下半身が不自由になってしまったのに、誰よりも素晴らしくヴァイオリンを弾きこなすんですから、並大抵の努力じゃないと思うけれど、ステージ上のパールマンはいつでもとても優しそうに笑っていて、幸せを音楽に乗せて届けてくれるように見えます。
(最後のコーナーの曲目は一週間はサントリーホールのHPのアンコール曲の頁に発表されています。) 
≪当日発表で演奏された曲目≫ :
クライスラー:クープランの様式によるルイ13世の歌とパヴァーヌ
チャイコフスキー/クライスラー:ユーモレスク
クライスラー:美しきロスマリン op.55-4
チャイコフスキー/クライスラー:アンダンテ・カンタービレ
クライスラー:愛の喜び
アルベニス/クライスラー:タンゴ op.165-2
ヴィエニャフスキ/クライスラー:カプリース イ短調