2005年の音楽会 


新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会
4月7日  サントリーホール
指揮:クリスティアン・アルミンク
ホールで『運命』を聞いたのは、何年ぶりでしょうか?指揮のアルミンクさんは、とっても真面目な音楽を作る人という感じです。良くも悪くも破綻がないので、音楽によってはちょっとつまらない時もあります。『運命』の3楽章の終わりから4楽章は、天国のベートーヴェンから、ぐわ〜んんと目に見えない力が送られてくるようで、そんな曲の持つ底力が好きです。今回の「運命」はそのあたりが少々弱かったと思います。


東京のオペラの森 R.シュトラウス 歌劇 「エレクトラ」
3月19日(土)  東京文化会館 19:00〜
指揮:小澤征爾 東京のオペラの森管弦楽団 東京のオペラの森合唱団
演出:ロバート・カーセン エレクトラ:デボラ・ポラスキ クリテムネストラ:アグネス・バルツァ
クリソテミス:クリスティーン・ゴーキー オレスト:フランツ・グルントヘーパー エギスト:クリス・メリット

母とその愛人によって殺された父を思うエレクトラ。復讐の機会を待ち続けている。そんな姉を気遣いつつももてあまし気味の妹。ようやく戦地から戻った弟がついに母とその愛人を殺してくれ、復讐をとげたエレクトラは、狂気のうちに死んでしまう。というような、親子、姉、弟、妹のドロドロオペラですが、主役のエレクトラは休憩なしでほぼ2時間、歌い続けで相当体力を消耗するんじゃないのかと思いますが、最後まですごい迫力でした。さすが、「戦後最高のエレクトラ」と言われているデボラ・ポラスキですね。母親役のアブネス・バルツァもまた、迫力と美しさでステージに登場しただけで釘付けでした。演出はロバート・カーセン。奥が上がって斜めになった舞台は、サイトウキネンのイエヌーファの時もそうでしたが、舞台上で起きているドラマを聴衆が俯瞰で覗いているような、無責任な隣人的な感覚も起こさせるような気がします。また舞台の中央に穴が開いていて、そこが墓穴でもあり、宮殿への出入り口であるという始まりでもあり終わりでもある象徴的な穴になっています。暗くて四方を壁で囲まれた閉ざされた舞台上に、唯一開いている穴が、平穏へと開かれた穴ではなく、この悲劇に逃げ道はないのだと表しているような感じがしました。すべての人が黒の衣装の中、殺される運命の母親とその愛人だけが白いガウンを着ているので、よけいに不安な感じがしました。ただ、前半で殺された父アガメムノンが、血の付いた真っ白い身体で穴から出てきてびっくり。裸だったんですけれど、オペラ(芸術)ならば許されるんでしょうか?身体を全部白く塗っていたから目立たなかったけれど、浴室で殺された死体を表していたのかもしれませんが、下着くらいつけてても良かったんじゃないかな?と思いました。小澤さんの指揮、そしてこのオペラの為に編成されたオーケストラは、復讐をあおるかのような音楽で、グイグイと押していくような強い弾きっぷりに聞こえました。「英雄の生涯」とかR.シュトラウスのオケ曲だともっともっと揺れながら盛り上がるような指揮ぶりだったと思うので、やっぱりオペラだと違うようです。


萩元晴彦「夢」コンサート
3月7日(月) カザルスホール 19:00〜
バッハ:トッカータ、アダージョとフーガBWV564(オルガン) 西村朗編曲:無伴奏ヴィオラのための『鳥の歌』(初演)  モーツァルト:オーボエ四重奏曲へ長調K.370  ピアソラ:「アヴェマリア」、「革命」(アコーディオン、ピアノほか)  R.シュトラウス:「メタモルフォーゼン」
ヴァイオリン:川崎洋介、島田真千子  ヴィオラ:今井信子、川本嘉子  チェロ:山崎伸子、辻本玲  コントラバス:今村晃  オーボエ:久寿米木知子  アコーディオン:御喜美江  ピアノ:ゲオルク・シェンク  オルガン:今井奈緒子  音楽アドヴァイザー:今井信子、西村朗  司会:西村朗、マリ・クリスティーヌ

久しぶりにカザルスホールに行って来ました。室内楽専用のホールとしては、日本で初めてのホールだったように記憶していますが、しっとりと落ち着いた雰囲気のある、音の優しいホールは今も変わらずで、ちょっとうれしかったです。日本大学カザルスホールという名前に変わっちゃったし、周りの風景も変わっちゃったけれど、ホールの中は昔と変わっていなくて、とても美しいホールだと思います。御喜美江さんのアコーディオン、フリードリッヒ・シェンクのピアノによるA.ピアソラの「アヴェマリア」は、観客の身体を通ってそのままホールに染みいっていくような音楽でした。ぞっとするほど、美しい瞬間が、音楽にはあるんですよね。休憩後のR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」も弦楽器の音色が、幾重にも絡まり合って引っ張り合っているような、濃密な感じのする演奏でした。
バッハ:トッカータ、アダージョとフーガBWV564(オルガン) 西村朗編曲:無伴奏ヴィオラのための『鳥の歌』(初演)  モーツァルト:オーボエ四重奏曲へ長調K.370  ピアソラ:「アヴェマリア」、「革命」(アコーディオン、ピアノほか)  R.シュトラウス:「メタモルフォーゼン」
ヴァイオリン:川崎洋介、島田真千子  ヴィオラ:今井信子、川本嘉子  チェロ:山崎伸子、辻本玲  コントラバス:今村晃  オーボエ:久寿米木知子  アコーディオン:御喜美江  ピアノ:ゲオルク・シェンク  オルガン:今井奈緒子  音楽アドヴァイザー:今井信子、西村朗  司会:西村朗、マリ・クリスティーヌ

久しぶりにカザルスホールに行って来ました。室内楽専用のホールとしては、日本で初めてのホールだったように記憶していますが、しっとりと落ち着いた雰囲気のある、音の優しいホールは今も変わらずで、ちょっとうれしかったです。日本大学カザルスホールという名前に変わっちゃったし、周りの風景も変わっちゃったけれど、ホールの中は昔と変わっていなくて、とても美しいホールだと思います。御喜美江さんのアコーディオン、フリードリッヒ・シェンクのピアノによるA.ピアソラの「アヴェマリア」は、観客の身体を通ってそのままホールに染みいっていくような音楽でした。ぞっとするほど、美しい瞬間が、音楽にはあるんですよね。休憩後のR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」も弦楽器の音色が、幾重にも絡まり合って引っ張り合っているような、濃密な感じのする演奏でした。


新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会
2月25日(木) サントリーホール
指揮:フランス・ブリュッヘン

新日本フィルの定期演奏会で、初めて聴きました!なんと素敵なシューベルトだったことか。70歳になるブリュッヘンさんの指揮は、シューベルトの素敵な所をたくさん聴かせてくれました。本当に幸せな夜となりました。
それにしてもカマーバンドがとても鮮やかな美しい緑色で、きっととてもおしゃれな人なのかも。
ずぅっと忙しくて、ストレスもたまっていたけれど、コンサートホールはいろいろな日常から切り離してくれる空間です。そこが、幸せな音でいっぱいになると、心も温かくなります。『音楽』こそは人の心を幸せにする素晴らしい贈り物ですね。