サイトウ・キネン・オーケストラ

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ト音記号マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活

  

   ソプラノ:菅 英三子  コントラルト:ナタリー・シュトゥッツマン 合唱:晋友会合唱団 
   2000年1月3日(月)午後6時 於:東京文化会館
 


今年の聴き始めは、小澤征爾さん指揮のマーラー「復活」でした。

サイトウ・キネン・オーケストラは、いつもは秋に松本で公演をしているので、なかなかチケットが入手できず、諦めたコンサートも多いのですが、今年は年明けから東京文化会館で聴くことができ、素敵な幕開けとなりました。
会場は、オーケストラのグッズが売られたり、コンサート前に歓談するたくさんの人達で賑わっていました。


午後6時を少し回った頃、舞台上にオーケストラの人達が登場し始め、客席から拍手が起こりました。その拍手がひときわ大きくなった時、ステージ上には楽団員に混じってすでに小澤さんの姿がありました。
通常のコンサートでは、楽団員がすべて着席し、そしてオーボエの音に合わせてオーケストラがチューニングをして、その音が消え、すべての楽団員、観客が指揮者の登場を今は遅しと待つ訳ですから、このサイトウ・キネンでの小澤さんの登場の仕方には驚かれる人も多いかもしれません。

なんとなくざわついていた会場も、いざ小澤さんが指揮台に上り、指揮棒を構えた瞬間に、張りつめたような静けさが訪れます。この瞬間、今日、この会場に居合わせた人達が皆、同じ時間を共有し体験するであろう事を想像すると、なんともわくわくして緊張します。


サイトウ・キネン・オーケストラの弦は、本当に揃っていてそれでいて、太く、しなり、揺れて、ふるえて、吼えて、最後までその緊張が持続します。そしてまた、木管楽器は柔らかく踊りながら音の先がホールの隅々まで流れるように延び、金管楽器は厚くふくよかに音が重なってオーケストラを、そして会場全体を包み、小澤さんとオーケストラは力強くまるで対峙するかのように熱が上がっていき、あっという間に、不安と緊張と解放が繰り返されるようなマーラーの音楽に引き込まれていきました。

演奏終了後、鳴りやまない拍手、何度も何度も舞台上に呼び出されるオーケストラと小澤さん、演奏会は会場を熱して終わり、夜は更けていきました。

このサイトウ・キネン・オーケストラは一番最初に演奏会を行った時は、「桐朋学園斉藤秀雄メモリアルオーケストラ」といい、それは1984年の事でした。その時のコンサートはそれはそれは、今まで聴いた事のないような、まるで地の底からわき上がるような音でホールが揺れるような熱気あふれるもので、今でもそのときのライブLPは私の宝物です。そのお話は、またの機会に・・・。


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